ボクが家に帰ったのは、既に日付が変わってからだった。今日は仕事が山積みで、朝のこっぱやい時間から深夜まで動きっぱなし。もうへとへとだ。
キーケースの中からドアに合う鍵を探し出し、ガチャリと鍵を開ける。ボクは家を3件所持しているのだ。1つは普通にボクの家。2つ目はここ、都心から少し外れたところにある家。ここはだいたい可愛い彼女が来れるようにしてある。ボクが休日をのんびりすごす時なんかもここ。そして3つ目は、誰にも教えていない隠れ家だ。

居間の電気がついている。がいる証拠だ。明日はオフなので、今朝きてもいいよとメールしておいた。しかし、当の本人が見当たらない。もしかして、と思って寝室を覗くと、ベッドに人ひとり分の膨らみがあった。

そっと歩みより可愛い寝顔を拝見する。すやすやと規則正しい寝息。はすでにパジャマ姿だった。
ボクも着替えよう。その前にベタベタだからシャワーを浴びなきゃ。ご飯は食べてきたからお腹はすいてない。バスルームへ行く前に自分の下着とパジャマを手にとった。はどうやらボクのために、バスタオルまでセットにしてひとまとめにしておいてくれたようだ。先週着たこのパジャマが清潔な香りを漂わせているのは、事前に彼女が洗濯をしてくれたからだろう。はボクのいない平日に訪れ、ボクがいつ来てもリラックスできるように、掃除なり洗濯なり冷蔵庫に飲み物などを補充するなり、いろいろしてくれているのだ。ボクって愛されてるなあ…。

シャワーから上がってミネラルウォーターを喉に流し込み、髪を乾かし歯磨きをして寝室へ。彼女は先程とかわらない体制で深い眠りの中。そっとベッドに潜り込む。ボクはと付き合う以前からダブルサイズのベッドを使っていたので、ゆとりは十分だ。

「おやすみ」

頬にひとつキスをして、ボクも目を閉じる。
同じ夢をみれたらいいな。



キミと夢でランデブー







 

inserted by FC2 system