ガチャッ、ギィ、バタン、ドタドタドタドタ! なんだなんだ騒がしい、ってそんなの思い当たるのは一人しかいない。ハヤトくんだ。 今日は私はお休みで、ハヤトくんは撮影が午前中で終了。ちなみに今はお昼を回ったところ。 さっきメールがきて、「今から行くね!」の文面を見てからそれほど時間は経ってない。
「ちゃん!見て見て可愛いでしょ!!」 「わっぷ」
ハヤトくんがリビングに入ってきたのと同時に、叫ぶように言いながら私に真っ正面から抱き着いてきた。 く、くるしい…! ちょっと那月くんを思い出してしまう。
「ハヤトくん…見て見てって言って抱き着いたら何も見えない…」 「あ…そうだった」
パッ、すぐに解放されてハヤトくんの顔がようやく見えた。 私の前でにこにこしてるハヤトくんは、両手を横に広げて、
「じゃーん!おにゅーのパーカー!」 「わっ、可愛い!」 「でしょでしょ〜?」
私に褒められて嬉しかったのか、とても機嫌を良くしてふにゃりと笑っている。 彼が来ているおにゅーのパーカーとは、黒地に白い星柄のパーカー。フードの裏地は紫色だ。ハヤトくんによく似合ってる。
「さっき買ったばっかりなの!一目惚れしちゃって〜!」 「ハヤトくんにとっても似合ってるよ!」 「えへへ〜ありがとう!じつは〜…」
ゴソゴソゴソ。 ハヤトくんが持ってきた紙袋を漁る。
「じゃじゃーん!ちゃんのも!」 「えっ」 「レディースサイズもあったんだにゃあ!ちゃんにも似合うと思って!」
ハヤトくんの両手で広げられたパーカーは、レディースサイズで色はグレーに白い星柄、フードの裏地はピンクだった。
「か、可愛い!」 「ボクからのプレゼント〜!」 「えっ、悪いよ」 「いいの!ボクが選んだんだから!」
少し唇を尖らせた顔が可愛い。ハヤトくんは私にパーカーを差し出した。
「あ、ありがとう…!」 「わあい!ちゃんとお揃い〜っ!」
むぎゅう。結局抱きしめられて頬にキスされて、今日もべたべたに愛されちゃいそうです。
お揃いの夢を見よう
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