なんとご説明したらいいのでしょうか…結論から言うと、熱を出したわけです。つまり風邪を引きました。
私としたことが。最近は得に忙しいかったことは確かです。この3日間での睡眠時間は、トータルで4時間。流石の私も疲れが溜まったようでした。
今日はそんな目まぐるしい日々をクリアした嬉しい嬉しいオフなのですが、あろうことか昼間に目覚めればだるい・頭が痛い・熱があるの三拍子。喉が痛くないのが救いでしょうか。
…と、に言ったら怒られてしまいました。

「あんたいつも自分で言ってるじゃないの!体調管理も仕事のうち!!」
「……はい…」

私に向かってあんたと言い、怒鳴れるのは彼女ぐらいのものです。もうとは交際を始めて2年。私たちは卒業と共に交際をスタートしました。
彼女は作曲家として事務所に所属し、私の隣の部屋で暮らしています。
今日は目覚めて体の異変を感じたときに、すぐに彼女に電話しました。ちょうど食材を買いに行くところだったらしく、買い物を頼んで看病に来てもらったわけです。というか、彼女が無理にでも看病しに行くといった感じだったので、止められませんでした。本当は風邪を移さないためにも、部屋には呼びたくなかったのですが…。

「とりあえず、お粥作ったよ、梅干し入り」
「ありがとうございます…あつっ」
「あっ、もう……ふーっ、ふーっ」
「………」

がレンゲにすくったお粥を冷ましている姿を見ていると、今まで感じてきた風邪による孤独感が消えていくのを感じました。
シャイニング事務所に所属する前、HAYATOとして活動していた時期もそうでしたが、私は中学生の頃から一人暮らしをしていました。たまには熱を出して家にこもる日もありました。しかし、誰も看病してくれる人はいません。マネージャーは仕事のスケジュールの立て直しに追われていたので、私の看病までする暇はなかったのです。
なので、孤独感と熱で目頭が熱くなるのを感じながら、布団を株っているのが当たり前でした。私も、やっぱり人間ですね。熱を出しただけで弱くなる。

「ふーっ、ふー……トキヤ?」
「え」
「どしたの?大丈夫?」
「あ、ああ…いえ、少し…」
「?」
「…幸せだなと、思いまして」

私が言うと、が嬉しそうに笑って、冷まし終えたお粥を差し出してきました。それをゆっくり喉に流し、また同じ動作を繰り返します。

「トキヤはしばらく一人だったもんね」
「…はい」
「これからはずっと一緒にいてあげるよ。一人じゃどうしようもないときは、私が傍にいてあげる」

子供をあやすように撫でられたましたが、その行為すら嬉しく思ってしまうのは、やっぱり熱のせいでしょうか。



あなたが幸福をくれる








 

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